【新唐人2013年08月16日付ニュース】最近、中国国家発展改革委員会は海外粉ミルクメーカー6社に対し、独占禁止法に違反したとして6.7億元、日本円でおよそ107億円に及ぶ罰金を科しました。今年1月にも、韓国のサムスンなどの外資系企業6社に対し罰金を科しました。これら一連の行為は本当に独占禁止法の執行のためなのでしょうか。それとも、他の意図があるのでしょうか?
最近、中国国家発展改革委員会は独禁法に違反したとして、乳業会社のバイオスタイム、アボット、ミードジョンソン、デュメックス、フライズランド・カンピナ、フォンテラの6社に対し6.7億元という過去最高額の罰金を科しました。これらの企業は独占禁止法で禁止されている価格操作などをしたとして、前年売上高の1%から10%の罰金を科せられました。
中国企業ウォッチャー 何軍樵さん
「中国政府が本当に独禁法を執行するのなら、中国の多くの独占国営企業に対しても、同じ様にすべきです。外国の粉ミルクメーカー、数社にだけ超高額の罰金を科すべきではありません。周知の通り、中国の粉ミルクにはずっと問題が多いのです」
では、当局が外資系企業にメスを入れる動機は何でしょうか?
中国企業ウォッチャー・何軍樵(か ぐんしょう)さんは、中国人の飲用水、電気、自動車の使用やガソリンなどの生活用品は世界一高く、これらのライフラインは全て国営企業が独占していると指摘します。
台湾大学経済学部 張清溪教授
「外国企業は特に乳業メーカーは中国企業よりも法律に従っているはずです。中共が外国企業に罰金を科すのは、ひとつは中国人に見せる為です。もうひとつは多分中国国内企業からの圧力の下で、外国企業を罰することにより国内企業の利益を保護するのです」
ある時期から、北京当局が外国企業に対し厳しい審査を行うケースがたびたび発生しています。今年3月、中国政府系メディアはアップル社を“貪欲で横柄きわまりない”と非難。フォルクスワーゲンのギアボックス問題では、38万台のリコールが余儀なくされました。また、今年初めにはサムスンなど電機メーカー6社に対し、独禁法違反の罰金1.44億元を科しています。
台湾では昨年9月9日から、大勢の企業経営者らが毎日台北駅の前で、中国投資で迫害を受け、資産や家族まで失ったことを訴えています。台湾大陸委員会によると、台湾企業家は中国で刑事迫害を受けるケースが多く、生命や財産の安全までが脅威にさらされています。
台湾大学経済学部 張清溪教授
「外資企業を誘致し、最初は優遇しますが、企業がうまく行くと彼らはその企業を手に入れようとし、ひいては略奪という方法をとるのです。原因は様々ですが、社会道徳の腐敗など主には政府の権力が制限を受けないからです」
2011年から人件費の上昇、外資企業への優遇税制の終了、人民元の上昇などにより外資系企業が次々と中国から撤退し始めました。
今年6月5日までの5日間の取引日の中で、8億3400万ドルが中国の株式市場から撤退し、2008年1月の金融危機以来最大規模の外資流出が起きました。専門家は、外資の“チャイナ・ドリーム”が終焉を迎えたと見ています。
米サウスカロライナ大学 謝田教授
「中共のような人権を極度に侵害し、法治を実行できない政権とビジネスをすることによって、一時的に利益を得ても、最期には苦い経験を味わうことになります。今 西側企業はまさにその苦汁を味わい始めています」
一方、中国政府系メディアによると、罰金を科された6企業のうち、ミードジョンソンなど3社は罰金を納めると表明。うち、ニュージーランドの乳業会社“フォンテラ”は中国当局の決定に従い、協力すると示したそうです。
米サウスカロライナ大学 謝田教授
「これは奇妙な事です。一般的に米国企業などは、政府の罰則を簡単には受け入れないものです。政府が証拠を持っていると別ですが、今中共政府は確実な証拠を提示していません。罰金は実際は中国の国営粉ミルクメーカーの醜聞と関係があります。これらの企業はまた中共の報復を恐れ、自分を守る手段を採ったのでしょう」
謝田教授は、中国当局は外資企業へ巨額の罰金を科すことにより、党が国民の福利の為に行動しているという錯覚を与え、実際の問題から国民の意識を逸らそうとしていると睨んでいます。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/08/12/atext947826.html(中国語)
(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/佐藤 映像編集/工)